「抜け毛が気になるけれど、まだ病院に行くほどではないかも…」「まずは自分でできることを試したい」。女性の薄毛に悩む多くの方が、最初に予防やセルフケアから始めることでしょう。確かに日々の心がけは大切ですが、その限界を知り、適切なタイミングで皮膚科を受診することが、薄毛の進行を防ぎ、効果的な治療を受けるために非常に重要です。まず、女性の薄毛予防やセルフケアとしてできることは多岐にわたります。「バランスの取れた食事」は基本中の基本です。髪の主成分であるタンパク質はもちろん、亜鉛や鉄分、ビタミンB群など、髪の成長に必要な栄養素を意識的に摂取することが重要です。「質の良い睡眠」も不可欠です。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、十分な睡眠時間の確保と、規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。「ストレス管理」も忘れてはいけません。過度なストレスは自律神経の乱れや血行不良を引き起こし、薄毛を悪化させる要因となります。適度な運動やリラックスできる時間を作り、ストレスを上手に解消しましょう。「適切なヘアケア」も重要です。頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーを選び、指の腹で優しく洗う、丁寧にすすぐ、ドライヤーで適切に乾かすといった基本的なケアを徹底しましょう。また、常に同じ分け目にしない、髪を強く引っ張るヘアスタイルを避けるといった工夫も有効です。紫外線対策として帽子や日傘の使用も推奨されます。しかし、これらの予防やセルフケアには限界があります。例えば、FAGA(女性男性型脱毛症)や円形脱毛症のように、遺伝的要因や自己免疫疾患、ホルモンバランスの大きな変化が原因となっている薄毛は、セルフケアだけで改善することは難しいのが現実です。市販の育毛剤も、軽度の薄毛の進行を遅らせる効果は期待できますが、医学的に発毛効果が認められている成分は限られており、根本的な改善には繋がりにくい場合があります。「セルフケアを半年以上試したけれど効果が見られない」「抜け毛の量が明らかに増えた」「分け目が急激に広がってきた」「頭皮のかゆみや炎症がある」といった症状がある場合は、セルフケアの限界と判断し、迷わず皮膚科を受診すべきサインです。皮膚科を受診する最大のメリットは、薄毛の「真の原因」を医学的に診断してもらえる点にあります。自己判断では難しい疾患の鑑別や、全身の健康状態との関連性も調べてもらえます。
女性の薄毛、予防とセルフケアの限界を知り、皮膚科へ