40代に突入し、職場の責任も増す中で、私の頭頂部は刻一刻と寂しくなっていました。後輩の視線やつむじに当たる冷たいエアコンの風が気になり始め、ついに私はAGA治療の門を叩きました。医師から提案されたのは、フィナステリドとミノキシジルの併用による、1年を見据えた長期戦でした。私の治療経過を振り返ると、それは決して平坦な道ではありませんでした。開始から2ヶ月目までは、初期脱毛こそ軽微でしたが、目に見える増毛効果もなく、本当に月々1万円以上の投資に見合う価値があるのかと自問自答する毎日でした。しかし、変化は突然訪れました。4ヶ月目の朝、いつものように髪を洗っていると、手に当たる毛髪の感度が明らかに変わっていたのです。それまでは「ホワホワ」としていた髪が、一本一本独立して存在を主張しているような、そんな力強さを感じました。6ヶ月が経つ頃には、合わせ鏡で見ても地肌の露出が劇的に減っており、妻からも「後ろ姿が10歳若返ったね」と驚かれました。40代は代謝が落ちているため、若年層に比べれば経過はゆっくりだと言われていますが、その分、変化を実感した時の喜びはひとしおです。8ヶ月目には、以前は敬遠していた短髪のベリーショートに挑戦することができ、外見が変わることで内面の自信も大きく回復しました。仕事でのプレゼンや接待の際も、相手の視線を気にすることなく堂々と振る舞えるようになったのは、治療の思わぬ副次効果でした。1年が経過した現在、私の頭髪はピーク時の8割程度まで回復し、現在はその状態を維持する維持療法へと移行しています。40代からの挑戦は遅すぎるということはありません。むしろ、人生の後半戦をいかに自分らしく、自信を持って過ごすかを考えれば、この1年間の経過に投資した時間は、私の人生において最も価値のあるものだったと確信しています。大切なのは、年齢を言い訳にせず、医学の力を借りて自分の可能性を信じることです。