今回は、長年AGA治療の最前線に立たれている専門クリニックの院長に、多くの人が抱く「AGAはどこから始まるのか」という疑問についてお話を伺いました。院長によれば、患者さんの多くは「昨日まであった毛が今日抜けた」というような急激な変化ではなく、「いつの間にかどこかが変わっていた」という違和感を抱えて来院されるそうです。医師の視点から見て、AGAの始まりを見極めるポイントはどこにあるのでしょうか。院長は、まず「前髪のセットのしやすさ」と「つむじの地肌の質感」の2点を挙げられました。生え際から始まるタイプの方は、前髪の毛量が減るよりも先に、一本一本の毛が細くなることで、隙間から額が透けて見えるようになります。一方で、頭頂部から始まるタイプの方は、地肌が単に露出するだけでなく、皮脂の分泌が過剰になってテカリが出るなど、皮膚の状態そのものが変化し始めることが多いと言います。また、多くの人が「どこから始まるか」を気にするあまり、自分一人で悩んで誤った自己判断を下してしまう危険性についても指摘されました。例えば、生まれつき額が広い人がAGAだと誤解してストレスを溜めたり、逆にAGAが進行しているのに「まだ20代だから大丈夫だ」と放置したりするケースです。院長は、AGAかどうかを判断する最も確実な方法は、後頭部の髪と、気になる部分の髪を指で同時につまんで比較することだと教えてくれました。明らかに前方の毛が細く、弾力がないと感じるならば、それはすでにAGAが始まっている証拠です。さらに、最近では20代前半の若年層でもAGAを発症するケースが増えており、その多くがスマートフォンの長時間使用による眼精疲労や首の凝り、睡眠不足などが、生え際の血流悪化を招いている可能性があるという興味深い知見も得られました。AGAはどこから始まるかという問いに対する医師の答えは、特定の場所というよりも、ヘアサイクルのバランスが崩れた場所から、という包括的なものでした。院長は最後に、どこから始まったとしても、今の医学では進行を食い止める手段が確立されているため、一人で悩まずに早めに専門家の門を叩いてほしいと結びました。