38歳の秋、私は鏡の中の自分を見て意を決してAGA治療を始めましたが、その際、何よりも気になっていたのが長年の晩酌で酷使してきた私の肝臓でした。会社の健康診断では毎年ガンマGTPの数値が基準値を少し上回っており、医師からは「お酒を控えるように」と注意されていたため、強力な発毛効果があるという内服薬を飲み始めることに強い不安を感じていました。最初のクリニックのカウンセリングで、私は正直に自分の飲酒習慣と肝臓への懸念を伝えましたが、医師は「まずは血液検査をして現状を把握しましょう、数値に問題がなければ注意深く経過を見ながら進められます」と優しく背中を押してくれました。初回の検査結果はASTが35、ALTが42と、わずかに高い程度でしたが、薬の服用を始めてからの数ヶ月間は自分なりに徹底した肝臓ケアを行うことに決めました。具体的には、毎日のビールを週2回の休肝日に置き換え、肝臓の代謝を助けるオルニチンやクルクミンを豊富に含む食材を積極的に摂取するようにしました。服用開始から1ヶ月目、巷で言われる初期脱毛によって枕元の抜け毛が増えた時は、肝臓の不調ではないかとパニックになりそうでしたが、クリニックの再診で「薬が効き始めている証拠です」と説明を受け、冷静さを取り戻しました。3ヶ月後の血液検査では、驚くべきことに肝臓の数値は以前よりも改善しており、これは薬の影響よりも明らかに節酒と食生活の改善という意識の変化がもたらした恩恵でした。髪の毛の方は、4ヶ月を過ぎたあたりから生え際に力強い産毛が確認できるようになり、半年後には美容師さんから「髪の密度が上がりましたね」と驚かれるまでになりました。もし私が肝臓のことを軽視して、不摂生な生活のまま薬を飲み続けていたら、途中で数値が悪化して治療を断念していたかもしれません。肝臓という自分の内面と向き合い、それを労わることで初めて、外見の美しさである髪の毛を健やかに育てることができるのだと痛感しました。今ではAGA治療を、単なる薄毛対策ではなく、自分の全身の健康をマネジメントするための良い機会だったと捉えています。髪が増える喜びと共に、自分の体調がかつてないほど整っている今の自分に、心からの満足感を感じています。